【インタビュー】代々木上原Grisソムリエ外山さん (3/4)

 

「今夜はコース料理を楽しもう」。フレンチレストランGris(グリ)は、代々木上原の駅から程近くに位置しています。Grisの魅力などをお伝えするインタビューシリーズ第3回は、Grisのソムリエ外山さんに、ワイン業界のトレンドである「ナチュラルワイン」についてお話を伺います。

一つ前の記事はこちらから。

 

Q. この上に置いていらっしゃるワインは、実際に売っているのですか?

外山さん:はい、売っているモノです。私の好きなアンドレアス・ツェッペというオーストリアの作り手さんですね。綺麗なエチケットデザインで、全て爬虫類とか虫とかのモチーフを使っています。これらはいわゆるナチュラル(自然派)ワインで、とても美味しいですよ。オーストリアで2006年初リリースで、日本では限られたインポーターさんが取り扱っています。とにかく、ぶどうのポテンシャルがすごい。ナチュラルだけどナチュラル過ぎない感じですね。2012年のヴィンテージでしたらまだまだ熟成させられるような素材なのですが、トンボのエチケットのボトルは、今飲んでもグレープフルーツの柑橘系やパッションフルーツの華やかな香りが楽しめます。

私にとってナチュラルなワインが一つのブーム、という訳ではないですが、今のシェフの料理にはとても相性が良く、バランスの取れた、綺麗な、ナチュラルな、樽の香りを過剰につけていないものと、自然にぶどうの美味しさを感じられるような、バランスの取れたワインを取り扱うようにしています。

ナチュラルワインに対する拘りがあるわけではなく、一番は美味しいワインであることが重要な要素です。ブルゴーニュのジャック・フレデリック・ミュニエという作り手がいるのですが、未だにその人のワインが好きです。単純に自分の好みのワインを追っていったら、ナチュラル寄りになってきている、そこで世界的なトレンドも来ている、という状況ですね。実際のところ、酸化防止剤の添加が比較的多いワインを飲むと、たまに受け付けなくなってきているのも事実ですが、、、ただ2日酔いしない、とかは僕は正直わかりません(笑)

 

Q. 普段飲まれているワインはこちらで置いていらっしゃるナチュラルワインが多いのですか?

外山さん:必然的に多くはなりますね。行くお店もそうですし、この前コペンハーゲンにも視察に行きましたが、そこで行くお店でもナチュラルワインを取り扱うところが多かったですね。海外でもナチュラルワインを置く店はまだ少ないですが徐々に増えてきていて、パリ、北欧、オーストラリア、アメリカも多いですが、今はまだまだヨーロッパが主体です。作り手としてもヨーロッパが主体で、Grisで取り扱っているのはボトルはフランス、オーストリア、ペアリングで出しているワインはその他の国も交えた個性豊かな作り手のナチュラルワインです。

 

Q. 若い作り手の方々がどんどん開拓しているのですか?

大体3000人のワイン生産者が、有機農法、ビオディナミ、または自然な農法でブドウを作りワインを生産しているそうです。しかし、フランス全土のワイン生産者の3%にも満たないですが、そういうムーブメントもありますし、例外として昔からそうだった仙人みたいな人もいます。(笑)

 

Q. 外山さんにとってナチュラルの定義とは?

外山さん:自然に美味しいぶどうから作ったワイン、それありきだと思っています。その中で、人為的なテクニックを全く介入させないワイン、とかそこまでは言うつもりはないです。栽培に重きを置いて、過剰な農薬添加や除草剤撒いたりしないで、すくすくエネルギーのあるぶどうから作られたワイン、という定義ですね。

TRIWINE:そう聞くと、「ナチュラルワインってちょっと…」と思っている人たちにとってもとっつきやすくなりますね。説明の仕方で大きく印象が変わる気がしました。

外山さん:ここ数年で、東京のナチュラルワインの過渡期が来ているように思います。値段の高騰、モノの確保の難しさ、需要は世界的に見ても明確に増えてきていますね。
だからこそ酸化防止剤ゼロじゃないといけない、酸化防止剤がゼロだから良いワインとかではなく、自分好みのフィーリングが合う生産者を探すことの方が大切だと感じています。ナチュラルワインの中でも醸造技術の進歩など、以前よりバランスの良いワインもたくさん増えてきています。

世界的に見ればワインの消費量は減っていますが、アルコール消費量内のワインの比率は増えている状況です。フランスでも若い人が飲まない傾向が全体的には見て取れ、お酒離れが進んでいます。日本でもワインの需要が増えているのは、こういうナチュラルワインが寄与しているのだと思います。

ワインには高い敷居があります。例えば、フランスワインの難しい法律、覚えなきゃいけないもの、もちろん売る方は覚えないといけないが、消費者の人は覚える必要はない。そういった敷居を取っ払ってくれたのがナチュラルワインではないでしょうか。エチケットの絵柄さえ覚えておけば、同じ絵柄のワインを探して、同じ生産者のワインなので方向性が近いものに当たり、自然と美味しいと思えるワインにめぐり合える確率が増える、というわけです。例えば、アンモナイトのが美味しければ、蝶々を飲んでも美味しい、というわけです。今までのワインだと、保守的なデザインのラベルだから知識としてはぐちゃぐちゃになりやすい、難しいですよね。

 

外山さん:こういう一部の作り手さんたちのワインは、AOCに適合しないものも出てきます。そのためどれだけしっかりと作っていてもテーブルワインになってしまう。テーブルワインクラスのワインになってしまうと市場で売れないので、そこで私たちのワインはちゃんと作っているよ、とそういう意味合いもあってこのようなエチケットにしたのがきっかけだそうです。今でこそ付加価値が付いてますが、当初は駄作なワインとして扱われた過去があるんです。

AOCは確かにフランスの権威、ワインの力を保つ為の仕組みではあります。しかしその仕組みの枠では収まりきらない素晴らしいワイン生産者の方々もたくさんいらっしゃいます。そして同じ志の方々と組合を作り、若手の作り手への支援や惜しげもなく知識を伝えたりとAOCに左右されない自由なワイン作りのスタイルを貫く生産者の方々もたくさんいらっしゃいます。

 


まとめ

代々木上原Grisの魅力をお伝えするインタビューシリーズ、次回最終回は、進化を続けるGrisの「未来」についてお話を伺います!

=-> 続きはこちらから

 

グリ / Gris
151-0064 東京都渋谷区上原1-35-3
TEL 03 6804 7607 / FAX 03 6804 7608
URL: http://grisyoyogiuehara.tumblr.com/

 

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